黒澤明

「人間、自分の苦労に正比例して価値判断をしてはならない。」

「自分を飽きさせずに面白く働かせるコツは、一生懸命努力してしつこく踏ん張るしかないんだ。」

「創造というのは記憶ですね。自分の経験やいろいろなものを読んで記憶に残っていたものが足がかりになって、何かが創れるんで、無から創造できるはずがない。」

「自分が本当に好きなものを見つけて下さい。見つかったら、その大切なもののために努力しなさい。君たちは、努力したい何かを持っているはず。きっと、それは、君たちの心のこもった立派な仕事になるでしょう。」

「生まれた時から地獄に慣れているから、天国へ行けなんて言われると恐怖で震え上がってしまう。」

「世界中の優れた小説や戯曲を読むべきだ。それらがなぜ『名作』と呼ばれるのか、考えてみる必要がある。」

「恥をかいてもいいから、ズカズカ踏み込むんだ。」

「一日に一枚しか書けなくても、一年かければ、365枚のシナリオが書ける。私はそう思って、一日一枚を目標に、徹夜の仕事の時は仕方がなかったが、眠る時間のある時は、寝床に入ってからでも、二、三枚は書いた。」

「泥沼にだって星は映るんだ。」

「些細なことだといって、ひとつ妥協したら、将棋倒しにすべてがこわれてしまう。」

「生きるのは苦しいとかなんとか言うけれど、それは人間の気取りでね。正直、生きているのはいいものだよ。とても面白い。」

「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」

「昔、映画会社は夢の工場と呼ばれていたんだ。そんな、純粋で生き生きとした活気に溢れた映画の門戸を、若者たちに開いてあげたい。若い人に夢を持たせるような、憧れて入りたいと思うような日本映画界にしたいものだね。」

「人間は集中して夢中になっているときが、一番幸せで楽しいもんだよ。子供が遊んでいるときの無心な顔は素敵だ。声をかけても聞こえないほど、自意識がない状態。あれが、幸せというもんだね。」

「最初はどんな仕事かも分からないし、できなけりゃ面白くないのが当たり前だ。続けていると、ある日突然見えてくるんだ。そうするとやる気がでる。そこでもう一押し頑張ってみると、なるほどそうなんだ、ともっと具体的に何をしたらいいか見えるんだ。繰り返し繰り返しやっていりゃ、パッと目の前が開けて面白いと思えるようになる。」

「人間はロボットじゃないんだから、疲れれば休みたくなるんだ。そういう時は潔く休めばいい。怠けたい気持ちが湧き上がったら、無理強いしてもいい仕事はできないよ。どういう気分になればやる気になるのか、人それぞれつぼがあるからね。自分で自分のこと、うまいことその気にさせる技をもつことさ。」

「くだらん奴がくだらんという事は、くだらんものではない証拠で、つまらん奴がつまらんこと言うのは、大変面白いことでしょう。」

「自分の与えられた人生、何もかも潔く責任をとるしかないんだ。本当に優しいというのは、そういう強さだと思うね。」

「よく絶望とか後悔とは無縁の強い人間だからとか、特別な才能があるとか言われるけど、それは違うよ。センチメンタルな弱虫だから、強そうな顔をして意地を張っているだけだ。弱みを見せたり、人に負けるのが嫌だから、無茶なほど頑張るだけだ。」

「コツコツと、少しでも完璧なものを作ろうと、来る日も来る日も工夫に工夫を重ねて、何代も受け継いできた技がある。そんな職人たちにとって、物作りが人生なんだ。継承する人もなく、材料も手に入らない。こういうことを助けるのが国だろう。それが文化を守るってことだ。」

「意地悪な気持ちは、ガツガツ閃きや才能や何でもお構いなしに食い尽くしちゃうんだ。そういう人間を沢山見てきた。怖いよ、人間の業ってもんは。」

「人間は弱いものだからね。平穏無事に生きている時は大して良い考えなんか出てこないのさ。ここを踏み外したら真っ逆さまだぞと追い詰まった時、やっとこさっとこ頭がフル回転し始める。」

「ものを創る人間にとって完全が目標です。完全に満足のいく作品なんてないから。次の作品こそは完全無欠な作品をと願うわけです。だから、僕にとって一番の作品はネクスト・ワンです。」

「何もないところからものを創り出していると思っているのは、人間の驕りだよ。生まれてから今までのどこかで、耳にし、目にした何かが、知らず知らずに入り込んだ記憶が、何かのきっかけで呼び覚まされて動き出す。そうやって、創造していくんだと思うよ。」

「悪いところは誰でも見つけられるけれど、いいところを見つけるのは、そのための目を磨いておかないとできない。」

「ハッキリと言わなければ、かえって人を傷つけることもある。」

「これでもか、これでもかと頑張って、一歩踏み込んで、それでも粘ってもう一踏ん張りして、もう駄目だと思ってもズカッと踏み込んで、そうしていると突き抜けるんだ。」

「自分の人生経験だけでは足りないのだから、人類の遺産の文学作品を読まないと人間は一人前にならない。」

「一生懸命作ったものは、一生懸命見てもらえる。」

「人を憎んでいる暇なんてない。わしには、そんな暇はない。」

「ハッキリと言わなければ、かえって人を傷つけるもある」

「演出家の体が弱っているということは恐ろしいものだ。それが作品の上に如実にあらわれる。俳優さんたちに催眠術がかけられない。ともかくこっちの気持ちにどうしても乗り移らせることができなくなるんだ。そうしたいと思っても、その気力が何としても生まれてこないんだ。たまらないことだねこれは。」

「私はまだ、映画がよくわかっていない。」

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